サッシの耐風圧性は、台風などの強風から生命・財産を守る大切な性能です.基準となる風圧力が建築物の立地条件や部位ごとに異なることに注意して、ガラスを含めた開口部全体の安全性に配慮することが求められます.
サッシの耐風圧性とは、サッシが面積1㎡当たりどれぐらいの風圧力に耐えられるかを表すもので、JIS A 4706-2000及びJIS A 4702-2000により等級と性能が規定されています(表-1).サッシにかかる最大風圧力(設計風圧力)が、各等級に対応した最大圧力以下となるように耐風圧性を設定します.
サッシにかかる風圧力は、取り付けられる地上からの高さだけで決定されるものではなく、建物の高さ、立地条件及びその地域に大きく左右されます.設計風圧力の算定基準は、建築基準法の帳壁における風荷重の規定(平成12年建設省告示第1458号、同1454号)に示されています(算定基準-1).なお13m以下の建築物など告示適用除外部分(図-1)については、日本サッシ協会の算定基準を参考としてください(算定基準-2).
サッシの耐風圧性の設定はJIS等級により表されます.サッシを使用する部位ごとに設計風圧力を算定し、これを上回る最大圧力に対応した等級を設定します.なお31m以下のビル中低層部では、S-3〈1600Pa〉からS-5〈2400Pa〉の間で設定されるのが一般的です.その他、開口部の耐風圧性については次のような注意点があります.